CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

腹腔鏡下膀胱結石摘出

獣医師の戸田です。
第一回目は腹腔鏡の膀胱結石摘出の症例です。
当院では従来通り膀胱切開を加えて肉眼的に膀胱内の結石を取り除く方法の他に、 腹腔鏡(ラパロ)を使用する方法が選択できるようになりました。
今までの方法と大きく違うとことは、
①お腹の傷が小さいこと
②膀胱内を腹腔鏡カメラを用いて確認する為、結石の取り残しを減らすことができること
③傷が小さい為、早期退院が可能なこと
が挙げられます。

ただし、欠点もあり、
麻酔時間が長くなる可能性があること、石の大きさによっては腹腔鏡の適応にはならないこと、
状況によっては回復手術が必要になる可能性があります。


では実際の手術のお話に入ります。

腹腔鏡とは腹壁にカメラが入るサイズの小さい傷を作り、トロッカーと呼ばれる機械を挿入します。(第一ポート)
これが傷の穴を広げてくれるので腹腔鏡カメラを挿入しやすくなります。

トロッカーより腹腔内にまずガスを入れ、頭側の視野を広げます。十分に気腹(ガスをいれること)ができたらカメラで確認しつつ、トロッカーの挿入時に他の臓器を傷つけず、安全に第二ポートが設置できる場所を決定します。
第二ポートが設置できたら腹腔鏡カメラを第二ポート側に移し膀胱をカメラで捉えます。第一ポートから鉗子を挿入します。
この鉗子は膀胱をつまむこともできますし、膀胱にくっついてしまっている脂肪などを剥離することも可能です。

膀胱が明らかになれば、鉗子で膀胱をつまみそのまま開けた穴から体腔外へ少し引き出します。
糸で膀胱と腹壁を固定します。これは、膀胱内容物が腹腔へ漏れないようにするためと、膀胱内の結石をとる作業中に膀胱が腹腔内に戻ってしまうのを防ぐために行います。
ここまでくるといおいよ膀胱を切開します。メスで膀胱切開を行い、膀胱内に腹腔鏡カメラを挿入します。
生理食塩水を尿道カテーテルから入れていき、ある程度の膀胱の張りを保ちつつ、鉗子やサクションを用いて膀胱結石を摘出していきます。最後に膀胱内をカメラでチェックし、尿道カテーテルを抜去していきながら尿道へカメラを進めていき、 膀胱内、尿道内に結石がないことを確認した後、膀胱を縫合します。 尿道カテーテルから生理食塩水を入れ、縫った膀胱から生理食塩水が漏れないかチェックします。漏れないことを確認した後、膀胱を腹腔内に戻します。

腹腔内にもどした後も問題なさそうであれば気腹したガスを抜きます。
その後はトロッカー挿入の時に開けた傷を縫合して終了となります。

退院の目安としては従来通りの方法が5日〜7日前後です。それと比較して、腹腔鏡を使用した場合は当日〜2日程度になります。

この症例は2日で退院し、その後血尿や頻尿などといった症状なく過ごしていただいております。
摘出した欠席はシュウ酸カルシウムでしたので、ご飯に加え、定期的な結石のチェックを実施しております。

結石が既にあり、腹腔鏡下での膀胱結石摘出が適応か、適応でないか
結石があるなしは不明だが、頻尿がある、血尿することがあるなど
御心配ごと、疑問点などあればご質問ください。
第一ポートにトロッカーを設置している写真です。
腹壁と膀胱を縫い合わせている写真です。
膀胱内の結石を腹腔鏡で見つつ、鉗子で摘出している写真です。
結石の取り残しがないか最終チェックしている写真です。