[小滝橋動物病院]
東京都新宿区の動物病院
新宿区 大久保・下落合・高田馬場
日曜日も診療・駐車場完備

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CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

僧帽弁閉鎖不全症 外科手術

僧帽弁閉鎖不全症は犬で最も多い心臓病である、多くは僧帽弁が粘液腫様変性(MMVD)を起こすことで発症する加齢性疾患です。 チワワ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シー・ズー等の短頭種やトイ・プードルなどが好発犬種となっていますが、どの犬種であっても発症する可能性がある疾患です。 治療法としては薬を飲み続けて病気の進行を遅らせる内科的療法と、手術によって脆弱化した僧帽弁・腱索を修復する外科的療法があります。 内科的療法では病気の進行を抑えることはできますが、根治をすることは出来ません。一方で、外科的療法では僧帽弁閉鎖不全症の根治を望めますが、非常に高度な設備と技術が必要であるため、実施可能な施設が限られています。 当院では心臓病の根治を目指し、開心術での手術を実施しております。 症例紹介 7歳避妊雌のキャバリアです。 運動をするとすぐに息切れを起こすとの主訴で来院し、心雑音が聴診で認められました。 心臓超音波では、僧帽弁の肥厚および左心室収縮時の弁逸脱が認められ、カラードップラーを用いた検査では僧帽弁での収縮期逆流が確認されました。以上より僧帽弁閉鎖不全と診断され内科療法にて経過を観察していましたが、オーナー様の希望により心臓外科を実施する運びとなりました。 左側の肋間を切開し、開胸器を用いて心臓を露出します。 心臓内の操作をするためには心臓を一度停止させる必要があります。その間は心臓から全身への血液拍出が止まってしまうため、人工心肺装置によって血液循環を維持しなければなりません。そのため、頸静脈に脱血用カテーテル、大動脈に送血用カテーテルを設置し、人工心肺装置に接続します。
大動脈を遮断し、心筋保護液によって心臓を停止させた後、体外循環を行います。 心臓の動きが止まったのを確認したら、心臓へのアプローチを開始します。
左心房を切開し、心臓の内部を観察し操作を行います。 縫合糸を用いて腱索の腱索再建および弁輪縫縮を行い、最後に僧帽弁からの逆流が改善したことを確認し左心房を縫合します。 90分程度の心停止で心臓操作を終了し、心拍の再開をします。
十分な血圧維持と出血がないことを確認し閉創します。
体外循環用のカテーテルを抜去し、血管を縫合し皮膚を縫合して終了となります。
術後の経過は非常に良好であり、心臓外科を行って約1年となりますが、現在でも心臓の雑音は認められておらず心臓の薬も全く服用していません。